テレビを肯定的に捉える人が減少したというのは本当か?

By | 2015年7月12日

総務省のページはいろいろな統計データを見られるのでちょいちょいお世話になります。

平成26年版情報通信白書 から「家計におけるコンテンツ利用状況」を引用します。

総務省「家計調査」によると、平成25年の家計のコンテンツ関連の1世帯当たりの年間支出総額は、7万8,994円(前年比2.0%減)となっている(図表5-8-2-1)。内訳としては、書籍・他の印刷物が4万3,364円と最も大きく、放送受信料が2万3,620円で続いている。支出額の前年比を見てみると、全ての品目で減少している。

コンテンツ関連の1世帯当たりの年間消費支出額

コンテンツ関連の1世帯当たりの年間消費支出額

 

コンテンツ(映画、書籍、ゲーム、音楽)が減少傾向にあるなか、放送受信料だけは増えてますね。不思議です。

少し古いのですが、平成24年度 情報通信白書のデータを見ると、

平成17年~平成22年度の放送サービスの加入者数は、地上放送(NHK)、NHK-BS放送、WOWOW、110度CS、ケーブルテレビについては毎年増加してきています。

コンテンツ支出金額の傾向(平成17年度から増加している)と一致しています。年々、有料放送を見る人が増えているということですよね。

ところで、テレビ番組見てますか?

テレビ離れ進む?視聴時間初めて短く、ネットの存在感高まるより。

 「1日にテレビを何時間見るか」という問いに「長時間(4時間以上)」と答えた人が前回の調査から3ポイント減少して37%となった。逆に「ほとんど、まったく見ない」「短時間(30分~2時間)」とする回答は3ポイント増えて38%となり、長時間視聴の割合を上回った。

「もっとも欠かせないメディア」の問いにも、テレビを選んだ人が前回の55%から50%に減り、ネットを選んだ人が14%から23%へと大きく増えた。

同研究所の中野佐知子副部長は「ネット環境や機能の向上で(メディアとしての)テレビへの肯定的な意識が減少している」と話している。

注目なのは、テレビは短時間視聴の傾向なのに、「もっとも欠かせないメディア」に約半数の人が「テレビ」を選んでいるということ。ネットにダブルスコアの差をつけています。

これは何を意味するんでしょうか?

日経の記事では、「テレビへの肯定的な意識が減少している」と指摘してますが、私はそうは思いません。

日経の記事は、(そもそも肯定的な意識って何?とも思いますが)裏を返せば否定的に捉える人が増えたと言っています。そう考える人が増えたから、「もっとも欠かせないメディア」としてテレビを選ぶ人が減ったと考えるのは少し乱暴です。それは、家計のコンテンツ消費支出額の傾向として、放送受信料だけが増えていることとは相反します。総務省の統計と矛盾しているのです。

スマホなどのモバイルデバイスの普及により、確かに、ネットはより身近なものになったと思います。しかし、そのことがテレビへの肯定的な意識を減少させたというよりは、テレビの使いどころをユーザーが具体的に意識した、その結果、スマホに求めるものとテレビに求めるものが明確に区別された傾向が出た。ということです。区別した結果、テレビに重きを置く人と、スマホなどのほかのメディアに重きを置く人の割合が変化しただけです。

ネットのニュースやコンテンツに触れるためのメディア(媒体)の主役がスマホに移った今、自宅に帰った時にテレビに求めるのは、より個人的な趣味・趣向に沿ったコンテンツを短時間に集中的に楽しむ。というスタイル。チャンネルを変えながら、ぼーっと見るのではなくて、スカパーなどの有料チャンネルの中から自分の見たい映画だけを2時間見て終わり。という視聴スタイルです。このようなスタイルの人からすると、テレビは欠かせないメディアと考えてもおかしくありません。昔はテレビから得ていた情報をスマホに求めて、テレビはさらにその人個人に特化したメディアに進化したわけなので、その人にとって価値のある情報は テレビ>スマホ と捉えても間違いではないでしょう。

総務省の統計データと日経の記事にある短時間視聴の傾向は上述したような視聴スタイルの人が増えていることを捉えているのだと考えられます。

ではでは。


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